CVS ワークスペースの同期

チーム」>「同期化」メニュー・コマンドまたはチーム・パースペクティブの「同期化」ツールバー・コマンドを使用して起動される CVS ワークスペースの同期は、「同期化」ビューに表示されます。このビューにより、ローカル・ワークベンチ・リソースとそのリモート側対応物との相違をインスペクションできるだけでなく、ワークベンチ内のリソースを更新し、ワークベンチからリポジトリーにリソースをコミットすることができます。

次の図に、「同期化」ビューでの CVS ワークスペースの同期の外観を示します。

CVS ワークスペースの同期

フィーチャー

以下に「同期化」ビューのフィーチャーの一部の概要を示します。

同期状態

「同期化」ビューは、リポジトリー内のリソースと比較したワークスペース内のリソースの同期状態を表示します。 この状態はアイコンを使用することによって表示され、またリソース名に付加するテキストとして状態を表示するように構成することもできます。アイコンの説明を以下の表に示します。

「着信追加 (Incoming addition)」アイコン 着信追加は、リソースがリポジトリーに追加されたことを意味します。「更新中」では、リソースをワークスペースに転送します。
「着信変更 (Incoming change)」アイコン 着信変更は、リポジトリーでファイルが変更されたことを意味します。 「更新中」では新規ファイル改訂をワークスペースに転送します。
「着信削除 (Incoming deletion)」アイコン 着信削除は、サーバーからリソースが削除されたことを意味します。 「更新中」ではローカル・リソースを削除します。
「発信追加 (Outgoing addition)」アイコン 発信追加は、ファイルがワークスペースに追加されたが、まだリポジトリーには存在しないことを意味します。「追加」、その後の「コミット中」では新規ファイルをリポジトリーに転送します。
「発信変更 (Outgoing change)」アイコン 発信変更は、ファイルがローカルで変更されたことを意味します。ファイルの「コミット中」では変更がリポジトリーに転送され、新規ファイル改訂が作成されます。
「発信削除 (Outgoing deletion)」アイコン 発信削除は、ローカルに削除されたリソースです。これらのリソースの「コミット中」では、リモート・リソースが削除されます。 : CVS において、ディレクトリーはリポジトリーから削除されません。代わりにファイルが削除され、空のディレクトリーはワークスペースから枝取りされます。
「競合追加 (Conflicting addition)」アイコン 競合追加は、リソースがローカルおよびリモートで追加されたことを意味します。
「競合変更 (Conflicting change)」アイコン 競合変更は、ファイルがローカルおよびリモートで変更されたことを意味します。手動または自動マージを行う必要があります。また、ビューの中で、競合である子が含まれるエントリーはすべて、「競合」アイコンで装飾されます。この装飾で、競合を簡単に見付けられます。
「競合削除 (Conflicting deletion)」アイコン 競合削除は、リソースがローカルおよびリモートで削除されたことを意味します。

モード

「同期化」ビューは、ツールバー・アクションまたはビューのドロップダウン・メニューのメニュー項目を使用して、モードでフィルターを掛けることができます。モードを使用すると、着信変更、発信変更、または競合変更のみを表示することができます。モードの利点は以下のとおりです。

重要: ワークベンチ内のリソースをまず更新し、存在している競合をマージによって解決してから、ワークベンチのリソースをリポジトリーにコミットすることをお勧めします。

モデル

「同期化」ビューでは、リソースのさまざまなモデル表記を表示することができます。各製品ごとに、その製品独自の表記方法がある場合があります。 Eclipse SDK モデルには、以下の 3 種類のモデルが付属しています。

ナビゲーション

「同期化」ビューは、ビューの変更をナビゲートするためのツールバー・アクションを提供します。これらのアクションは、ファイル間をナビゲートするだけでなく、ファイル内の変更から変更へ移動します。

更新およびコミット操作

「同期化」ビューで使用可能な更新およびコミットの操作には、いくつかの種類があります。表示されている適用可能なすべての変更、または選択されたサブセットに対し、標準の更新およびコミット操作を実行することができます。また、上書きおよび更新を選択してローカルの変更を無視すること、あるいは上書きおよびコミットを実行して、リモート・リソースをローカル・リソースの内容と一致させることができます。さらに、ローカルに変更されている (おそらく外部ビルド・ツールによって) ものの、内容がサーバーの内容と一致するファイルのタイム・スタンプをクリーンするという選択もできます。

競合処理

競合を処理する際、最初に更新および競合変更を実行することができます。更新操作では、自動マージが可能な競合 (例えば、ファイル・コンテンツの変更がオーバーラップしていないもの) は正しく更新されますが、オーバーラップする変更が含まれるファイルはスキップします。あるいは、比較エディターを使用して競合を処理することもできます。比較エディターは、競合をダブルクリック (または、設定で開く方法を変更した場合はシングルクリック) するか、またはコンテキスト・メニューから「比較エディターで開く」を選択することによって開くことができます。比較エディターによって、手動でファイルの競合を解決することができます。完了したら、競合で「マージ済みとしてマーク」を実行し、終了したことを指示します。これで、競合は発信変化に変更されます。

問題マーカー

「同期化」ビューは、ビューに表示される変更があると、エラー または警告 の問題マーカーを表示します。または、そのような問題マーカーを持つリソースが含まれる、フォルダーまたはプロジェクトがビューに表示されるときにも、問題マーカーを表示します。これによって、問題があるリソースがリポジトリーにコミットされることを防ぎます。

ツールバー

同期化

このコマンドによって、リソースのリモート状態を再度取り出す現在の同期を繰り返すことができます。ツールバー項目のドロップダウンから、その他の既存の同期を選択したり、または「同期化...」メニュー・コマンドを使用して新規同期を作成したりできます。

現在の同期化をピン留め

このコマンドによって、現在の同期をピン留めまたはピン留め解除することができます。ピン留めした同期は、同じタイプの次の同期によって置換されませんが、ピン留め解除された同期は置換されます。これによって、簡単に同期にアクセスできるよう保持します。ワークベンチ・リソースが変更されると、このような同期は自動的に更新され、リモート状態のリソースで最新に保つためにスケジュール通りに更新を実行するように構成できます。

「モデル」ドロップダウン

このドロップダウン・リストには、同期化ビューに表示できるモデルが示されます。

次の相違へジャンプ

このコマンドは、ビューが表示する次の相違にジャンプします。ビューで次のファイルを開く前に、単一のファイルのすべての相違を表示します。

前の相違へジャンプ

このコマンドは、ビューが表示する前の相違にジャンプします。ビューで前のファイルを開く前に、単一のファイルのすべての相違を表示します。

すべて縮小表示

ビューの拡張エントリーをすべて縮小表示します。

着信モード

このモードでは、リソースが最後にロードされたか、またはワークベンチ内のリソースと同期しているため、リポジトリー内で変更 (着信変更) されたリソースだけが可視になります。

発信モード

このモードでは、ワークベンチ内で変更 (発信変更) されたリソースのみが可視になります。

着信/発信モード

このモードでは、着信変更と発信変更の両方が表示され、更新とコミットの両方を行うことができます。このデュアル・モードを使用する利点は、いずれのタスクでも好きな方を実行することができるということです。欠点は、同時に双方向マージを実行することが複雑になりやすいという点です。

競合モード

このモードでは、競合のみ (ワークベンチおよびリポジトリーの両方で変更されたリソース) が表示されます。

すべての着信変更をコミット

このコマンドによって、ビューで可視のすべての着信変更を更新します。また、このコマンドでは、自動マージ可能な競合は更新しますが、内容に競合が含まれるファイルはスキップします。

すべての発信変更をコミット

このコマンドによって、ビューで可視のすべての発信変更をコミットします。競合はコミットに含まれません。

ドロップダウン・メニュー

ドロップダウン・メニューから、他のビュー設定を設定するだけでなく、現在の同期またはすべての同期を除去する、モードまたはレイアウトを変更する、現在の同期をスケジュール通りの更新を実行するように構成する、ことなどができます。

コンテキスト・メニュー

「同期化」ビューのコンテキスト・メニューから、多くの有用な操作を行うことができます。

開く

このコマンドによって、選択された変更のローカル・リソースを、そのファイル・タイプに対するデフォルトのワークベンチ・エディターで開きます。

アプリケーションから開く

このコマンドによって、選択された変更のローカル・リソースを、ワークベンチ・エディターで開くことができます。

比較エディターで開く

このコマンドによって、選択された変更を比較エディターで開きます。比較エディターで、ファイル内の変更をインスペクションできます。

同期化

このコマンドによって、選択されたリソースのリモート状態を更新しました。さらに、このコマンドは、その内容がサーバー上の対応するリソースの内容と既に一致している発信変更のタイム・スタンプを調整して、ファイルが発信変更ではなくなるようにします。これは、内容が変更されていないファイルをビルド・ツールで再生成するような場合に便利です。

ビューから除去

このコマンドは、選択されたリソースをビューから除去します。除去されたリソースの状態が変更された場合や、ワークベンチが再始動された場合にのみ、リソースが再表示されます。

すべて展開

このコマンドは、選択されたリソースの子をすべて展開します。

更新

このコマンドは選択されたリソースを更新します。競合は更新に組み込まれることが可能ですが、自動マージ可能な競合のみが更新されます。マージ不可の競合はスキップされるため、比較エディターを使用して手動でマージする必要があります。

コミット

このコマンドは選択されたリソースをコミットします。発信変更のみ、コミットすることができます。

上書きおよび更新

このコマンドは競合および発信変更で動作し、それらのリソースのローカル側の内容を、サーバーからの内容と置換します。

マージ済みとしてマーク

このコマンドは、競合変更の CVS タイム・スタンプを発信変更になるように調整します。このコマンドは、比較エディターを使用して競合が手動でマージされた後に、実行する必要があります。

.cvsignore に追加

このコマンドは、選択されたリソースを .cvsignore リストに追加します。これにより、すべての CVS 操作中に CVS がリソースをスキップすることになります。

パッチの作成

このコマンドは、「パッチの作成」ウィザードを表示し、選択されたリソースをその中に取り込みます。

ブランチ...

このコマンドは、新規のブランチを作成すると共に、ブランチを元のソース・ブランチにマージするのに使用できる新規のブランチ・タグも作成します。

注釈の表示

このコマンドは、注釈の設定に応じて、「クイック Diff 注釈付け」を表示するか、または、選択されたリソース用の「注釈を付ける」ビューを開きます。

ヒストリーに表示

このコマンドは、選択されたリソースのヒストリーを表示します。

ASCII/バイナリー・プロパティーの変更

このコマンドは、選択されたすべてのリソースを示したダイアログを開きます。ここで、各リソースごとに ASCII/バイナリー・プロパティーを変更することができます。

関連概念
CVS によるチーム・プログラミング
CVS リポジトリーとの同期化  

関連タスク
リポジトリーとの同期化

更新

競合の解決

ブランチからマージする

コミット

リソースの比較
比較エディターの変更内容をマージする

関連参照
CVS
比較エディター