7.3. 生産的なアプリケーション

生産的なアプリケーションということになると、 新しいユーザはしばしば魅力的なオフィススイートや 親しみのあるワードプロセッサを求めるでしょう。 デフォルトアプリケーションではありませんが、 KDE のような デスクトップ環境 はオフィススイートを提供しています。 インストールされているデスクトップ環境にかかわらず、FreeBSD では、 いくつものオフィススイート、文書作成ソフトウェアを利用できます。

この節では、以下の人気のある生産的なソフトウェアのインストール方法について説明します。 もし、アプリケーションがリソースを大量に消費したり、 ports からのコンパイルに時間がかかったり、 もしくは大きな依存がある場合には、そのことについても触れます。

アプリケーション名必要なリソースport からのインストール実行に必要となる主な環境
CalligraKDE
AbiWordGtk+ または GNOME
GimpGtk+
Apache OpenOffice莫大JDK および Mozilla
LibreOfficeやや多莫大Gtk+ または KDE/ GNOME または JDK

7.3.1. Calligra

KDE コミュニティはデスクトップ環境とともに、 KDE 環境以外でも利用可能な オフィススイートを提供しています。 Calligra には、他のオフィススイートと同様に、 標準的なアプリケーションが含まれています。 Words は文書作成ソフトウェア、 Sheets は表計算ソフトウェア、 Stage はプレゼンテーションソフトウェア、そして Karbon は図形描画ソフトウェアです。

最新の KOffice をインストールする場合には、事前に KDE を最新のバージョンにしておいてください。

editors/calligra は、package または port からインストール出来ます。 package からインストールするには次のようにします。

# pkg_add -r calligra

package を入手できない場合は、かわりに Ports Collection を利用してください。

# cd /usr/ports/editors/calligra # make install clean

7.3.2. AbiWord

AbiWord は、Microsoft® Word のような見た目や操作感を持つフリーのワードプロセッサです。 書類や手紙、報告書、メモなどを書くのに適しています。 速く、多くの特徴があり、ユーザフレンドリです。

AbiWord は、 Microsoft® .doc のような独自仕様を含む多くの形式のファイルを読み書きできます。

AbiWord を package からインストールするには、以下のようにしてください。

# pkg_add -r abiword

package を入手できない場合は、Ports Collection からコンパイルしてください。

# cd /usr/ports/editors/abiword # make install clean

7.3.3. GIMP

画像を描画したり写真を修正することに関して、 GIMP は洗練された編集プログラムです。 単純にお絵かきソフトウェアとして使うこともできますし、 高品質な写真の加工ツールとしても使えます。 多くのプラグインに対応しており、 スクリプトインタフェースを特徴としています。 GIMP はさまざまな形式のファイルを読み書きでき、 スキャナやタブレットとのインタフェースにも対応しています。

package をインストールするには、以下のようにしてください。

# pkg_add -r gimp

もしくは、Ports Collection を利用してください。

# cd /usr/ports/graphics/gimp # make install clean

Ports Collection の graphics カテゴリには、GIMP に関連したプラグイン、 ヘルプファイルおよびユーザマニュアルなどがあります。

7.3.4. Apache OpenOffice

2011 年 7 月 1 日、Oracle® は OpenOffice.org のコードベースを Apache Software Foundation へ寄贈しました。 現在 OpenOffice.org は、 Apache OpenOffice として知られ、 Apache Software Foundation のインキュベータプロジェクトとして開発が行われています。

Apache OpenOffice は、完全なオフィススイートに必須のアプリケーション (ワードプロセッサ、表計算ソフトウェア、 プレゼンテーションソフトウェア、そして図形描画ソフトウェア) をひととおり揃えています。 ユーザインタフェースは他のオフィススイートと似ており、 広く用いられているさまざまな形式のファイルを読み書きできます。 インタフェース、スペルチェッカ、辞書は国際化されており、 多くの言語で利用できます。

Apache OpenOffice のワードプロセッサは、ネイティブのファイル形式に XML を採用することで ポータビリティや柔軟性を高めています。 表計算ソフトウェアにはマクロ機能があり、 外部データベースと接続することもできます。 Apache OpenOffice は、 Windows®, Linux®, FreeBSD および Mac OS® X において安定してネイティブに動作しています。 Apache OpenOffice についてのより詳しい情報は、Apache OpenOffice web サイト をご覧ください。また、FreeBSD Apache OpenOffice 移植チーム の web サイトから、FreeBSD 特有の情報や packages を直接取得することもできます。

Apache OpenOffice package をインストールするには、以下のように入力してください。

# pkg_add -r apache-openoffice

注記:

FreeBSD のリリース版を使用している場合には、この操作はうまくいくでしょう。 それ以外の版を使用している場合には、 FreeBSD Apache OpenOffice 移植チームの web サイトから適切な package をダウンロードして、 pkg_add(1) を使用してインストールしてください。 このウェブサイトから、リリース版と開発版の両方をダウンロードできます。

package をインストールしたら、以下のコマンドを入力して Apache OpenOffice を起動してください。

% openoffice-X.Y.Z

ここで X.Y.Z は、 インストールされている Apache OpenOffice のバージョン番号です。

注記:

初回起動時に、いくつかの質問が行われ、 ユーザのホームディレクトリに .openoffice.org フォルダが作成されます。

希望の Apache OpenOffice の packages を利用できない場合には、port を利用する方法もあります。 しかしながら、コンパイルには大きなディスクスペースと、 本当にかなり長い時間を必要とします。

# cd /usr/ports/editors/openoffice-3 # make install clean

注記:

地域化されたバージョンをビルドするには、 上記コマンドの代わりに以下のコマンドを実行して下さい。

# make LOCALIZED_LANG=your_language install clean

your_language を正しい言語 ISO コードに置き換えてください。 サポートされている言語コードは、同じ port ディレクトリにある files/Makefile.localized に書かれています。

7.3.5. LibreOffice

LibreOffice は、The Document Foundation が開発しているフリーソフトウェアのオフィススィートです。 他のメジャーなオフィススィートと互換性があり、 さまざまなプラットフォームで利用できます。 完全なオフィス生産性スィートに必須のアプリケーション (文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、プレゼンテーションソフトウェア、 図形描画ソフトウェア、データベース管理ソフトウェア、数式エディタ) をすべて揃えている OpenOffice.org からの新しいフォークです。 インタフェース、スペルチェッカ、辞書は国際化されており、 多くの言語で利用できます。

LibreOffice のワードプロセッサは、 ネイティブのファイル形式に XML を採用することで ポータビリティや柔軟性を高めています。 表計算ソフトウェアにはマクロ機能があり、 外部データベースと接続することもできます。 LibreOffice は、 Windows®, Solaris™, Linux®, FreeBSD, Mac OS® X において安定してネイティブに動作しています。 LibreOffice についての詳しい情報は、 LibreOffice ウェブサイト をご覧ください。

英語版の LibreOffice package をインストールするには、以下のように入力してください。

# pkg_add -r libreoffice

Ports Collection の editors カテゴリには、地域化された LibreOffice が用意されています。 地域化された package をインストールするには、 libreoffice を地域化された package 名に置き換えてください。

package をインストールしたら、以下のコマンドで LibreOffice を起動してください。

% libreoffice

注記:

初回起動時には、いくつかの質問が行われ、 ユーザのホームディレクトリに .libreoffice フォルダが作成されます。

希望の LibreOffice の packages を利用できない場合には、port からコンパイルする方法もあります。 しかしながら、コンパイルには大きなディスクスペースと、 本当にかなり長い時間を必要とします。 以下の例では、英語版がインストールされます。

# cd /usr/ports/editors/libreoffice # make install clean

注記:

地域化されたバージョンをビルドしたいのなら、 希望の言語の port ディレクトリに cd コマンドで移動してください。 対応している言語は、Ports Collection の editors カテゴリにあります。

本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。

FreeBSD に関する質問がある場合には、 ドキュメント を読んだ上で <questions@FreeBSD.org> まで (英語で) 連絡してください。

本文書に関する質問については、 <doc@FreeBSD.org> まで電子メールを (英語で) 送ってください。