コンパイル環境のカスタマイズ

このセクションでは、インクルード・ファイル、ライブラリー、および GNU C または C++ コンパイラーのロケーションを含むディレクトリーの検索パスを指定するために XL C/C++ で使用される機構について説明します。 これらの機構は、環境変数、インクルード・ファイル、構成ファイルの属性、およびコマンド行オプションです。 有効な構成ファイルを作成しやすくするため、vac_configure ユーティリティーが用意されています。

XL C/C++ の重要な検索パスは、以下のものの標準ディレクトリー・ロケーションです。

関連参照


環境変数

コンパイル環境の一部に、ライブラリーやインクルード・ファイルなどの特殊ファイルの検索パスがあります。 コンパイラーでは次のシステム変数が使用されます。

LD_LIBRARY_PATH
動的にロードされたライブラリーのディレクトリー・パスを指定します。 リンク時と実行時に GNU リンカーによって使用されます。

LD_RUN_PATH
動的にロードされたライブラリーを実行時に検索する追加のディレクトリー・パスを指定します。 この設定は、GNU リンカーでリンク時に使用される検索パスには影響しません。

MANPATH
製品マニュアル・ページのディレクトリー・パスを指定します。

NLSPATH
各国語サポート・ライブラリーのディレクトリー・パスを指定します。

PATH
コンパイラーの実行可能ファイルのディレクトリー・パスを指定します。

PDFDIR
プロファイル・データ・ファイルを作成するディレクトリーを指定します。 デフォルト値は設定されず、コンパイラーはプロファイル・データ・ファイルを現行作業ディレクトリーに 入れます。 プロファイル指示フィードバックの場合は、この変数を絶対パスに設定することをお勧めします。

TMPDIR
一時ファイルを作成するディレクトリーを指定します。 デフォルトのロケーションは、高レベルの最適化には不適切である場合があります。 高レベルの最適化の場合は、一時ファイルがディスク・スペースを大量に消費する 可能性があるためです。

呼び出しコマンドのための環境のセットアップ

XL C/C++ のコマンド行インターフェースは、/usr/bin に 自動的にはインストールされません。 絶対パスを指定せずにコンパイラーを 呼び出すには、以下のステップのうちの 1 つを行なってください。

メッセージ・カタログの正しい NLSPATH の確保

NLSPATH 環境変数は、適切なメッセージ・カタログを検出する方法をコンパイラーに通知します。

パスが正しいことを確認するには、次のコマンドを出します。

export NLSPATH=$NLSPATH:smprt-path/msg/%L/%N:
  compiler-path/vacpp/6.0/msg/%L/%N

ここで、smprt-path および compiler-path は、パッケージのインストール時に指定したインストール・ロケーションです。

注:
デフォルトのインストール・ロケーションを使用する場合、smprt-path および compiler-path は両方とも /opt/ibmcmp になります。

インクルード・ファイル

GNU、IBM、およびシステムのヘッダー・ファイルのロケーションの指定を最も簡便に行うには、 構成ファイルで指定します。

コンパイラー・オプション -I directory_name を使用すると、構成ファイル内の検索パスへ ディレクトリーを追加できます。構成ファイル自体は、制御する ディレクトリー・パスを設定するために内部的に -I オプションを使用します。 コンパイラーは、コマンド行の -I オプションによって指定されるディレクトリーを検索する前に、 構成ファイル内の -I によって 指定されるディレクトリーを検索します。

詳細については、「XL C/C++ コンパイラー・リファレンス」を参照してください。

関連参照

IBM Copyright 2003