本書について

XL C/C++ Advanced Edition は、PowerPC(R) アーキテクチャーで実行される Linux オペレーティング・システム用の 最適化標準コマンド行コンパイラーです。このコンパイラーは、拡張 C および C++ プログラム言語で 32 ビットおよび 64 ビット・アプリケーションを 作成および保守するためのプロフェッショナル・プログラミング・ツールです。

この資料 では XL C/C++ コンパイラーについて紹介します。 説明する内容は、さまざまなコンパイラー呼び出しと、 コンパイル環境をカスタマイズしてコンパイル・プロセスを制御する方法についてです。 この資料では、コンパイラーが実行できる変換のタイプ、 入出力可能なファイル・タイプ、コンパイラー・オプションのカテゴリー別の要約、 および既存アプリケーションの移植時の考慮事項も紹介します。 また、この資料では、 アプリケーションのパフォーマンスを最適化する方法も簡単に紹介します。 コンパイラーの機能を最適化すると、PowerPC プロセッサーの 多層アーキテクチャーを活用できます。

Linux および AIX(R) は、補完的なオペレーティング・システムです。IBM C for AIX または VisualAge(R) C++ Professional for AIX の知識を持っている方は、 その makefile を Linux プラットフォームで機能するように簡単に 適応させることができます。IBM C および C++ コンパイラーの初心者の方は、この資料でコンパイル、 リンク、および実行時にパフォーマンスを向上させる方法を学習することができます。

本書は、読者が C および C++ プログラム言語、Linux オペレーティング・システム、および bash シェルに ついての知識をもっていることを前提としています。


強調表示の規則

太字
コマンド、キーワード、およびシステムによって名前が事前定義されているその他の項目を識別します。

イタリック
その実際の名前または値がプログラマーによって提供されるパラメーターを識別します。 イタリック は、新規用語を最初に言及する際にも使用されます。

特定のデータ値の例、ユーザーに表示されるテキストに類似したテキストの例、 プログラム・コードの部分、システムからのメッセージ、 またはユーザーが実際に入力するべき情報の例などを識別します。

これらの例は、言語の使用方法を説明するもので、実行時間の最小化、ストレージの節約、 エラーのチェックを行うためのものではありません。 これらの例では、言語構成の使用についてのすべては説明しません。 例の中には、コードの一部分だけを示し、 コードを追加しないとコンパイルできないものもあります。


構文図の読み方

次の構文図の例では、#pragma comment ディレクティブの構文を示しています。 #pragma ディレクティブの詳細については、「XL C/C++ ランゲージ・リファレンス」を参照してください。


(1) (2)  (3)  (4)       (5)       (6)                             (9)   (10)
 >>-#--pragma--comment--(-------compiler---------------------------)-><
                          |                                     |
                          +-----date----------------------------+
                          |                                     |
                          +-----timestamp-----------------------+
                          |                                     |
                          +--+--copyright--+--+-----------------+
                             |             |  |                 |
                             +--user-------+  +--,-"characters"-+
 
                                                (7)     (8)

(1) 構文図の始まりを示します。

(2) 記号 # を最初に記述します。

(3) キーワード pragma は、記号 # の次に記述されます。

(4) プラグマの名前 comment は、キーワード pragma の次に記述します。

(5) 左括弧が必要です。

(6) コメントの型を、表示されている compilerdatetimestampcopyright、 または user のうちいずれか 1 つだけ入力します。

(7) コンマが、コメントの型 copyright または user とオプションの文字ストリングの間に必要です。

(8) 文字ストリングをコンマの次に記述します。 文字ストリングは、二重引用符で囲みます。

(9) 右小括弧は必須です。

(10) これが、構文図の終わりを示します。

次の #pragma comment ディレクティブの例は、 上記のダイアグラムに従っており、構文上正しい例です。

   #pragma comment(date)
   #pragma comment(user)
   #pragma comment(copyright,"This text will appear in the module")
 
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