エスケープ・シーケンス

エスケープ・シーケンス によって、実行文字セットの任意のメンバーを表すことができます。 エスケープ・シーケンスは、基本的に、 印刷不能文字を文字リテラルまたはストリング・リテラルに入れるために使用されます。 例えば、エスケープ・シーケンスを使用して、タブ、復帰、 およびバックスペースなどの文字を出力ストリームに入れることができます。

>>-¥--+-escape_sequence_character-+----------------------------><
      +-x--hexadecimal_digits-----+
      '-octal_digits--------------'
 
 

エスケープ・シーケンスでは、円記号 (¥) の後に、エスケープ・シーケンス文字 または 8 進数か 16 進数が続きます。16 進数のエスケープ・シーケンスでは、x の後に、1 つまたは 複数の 16 進数字 (0-9、A-F、a-f) が続きます。8 進数のエスケープ・シーケンスでは、8 進数字 (0-7) を 最大 3 個使用します。16 進数または 8 進数の値は、必要な文字またはワイド文字の値を 指定します。

注:
行継続シーケンス (¥ の後 に改行文字が続く) は、エスケープ・シーケンスではありません。行継続シーケンスは文字ストリング 内で使用され、ソース・コードの現在行が次の行に継続することを示します。

エスケープ・シーケンスと表される文字は、次のとおりです。

エスケープ・シーケンス 表される文字
¥a アラート (ベル、アラーム)
¥b バックスペース
¥f 改ページ (新しいページ)
¥n 改行
¥r 復帰
¥t 水平タブ
¥v 垂直タブ
¥' 一重引用符
¥" 二重引用符
¥? 疑問符
¥¥ 円記号

エスケープ・シーケンスの値は、実行時に使われる文字セットのメンバーを表します。 プリプロセスの間に、エスケープ・シーケンスを変換します。例えば、ASCII 文字コードを使用しているシステムでは、エスケープ・シーケンス ¥x56 の値は、大文字の V です。

EBCDIC 文字コードを使用しているシステムでは、エスケープ・シーケンス ¥xE5 の値は、大文字の V です。

エスケープ・シーケンスは、文字定数またはストリング・リテラルでのみ使用してください。 エスケープ・シーケンスが認識されない場合は、エラー・メッセージが出されます。

ストリングまたは文字シーケンスでは、円記号で円記号自体を表すとき (エスケープ・シーケンスの始まりではなく) は、¥¥ 円記号エスケープ・シーケンスを使用する必要があります。 次に例を示します。

      cout << "The escape sequence ¥¥n." << endl;

このステートメントでは、次のように出力されます。

The escape sequence ¥n.

関連参照

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