本書について

XL C/C++ 入門XL C/C++ コンパイラーの全般的概要、 その重要度の高い機能、 およびそれらの機能がお客様のソフトウェア開発の生産性向上にどのように役立つかについて記載しています。

このリリースにアップグレードしようとしている現行の XL C/C++ ユーザーの便宜のために、「XL C/C++ 入門」には、V8.0 での新規機能または改良された機能の要約も記載されています。

XL C/C++ 入門」は、 単にコンパイラーに慣れていただくのに役立つことだけを意図しています。 XL C/C++ コンパイラーを使用する上での詳細な情報については、 XL C/C++ Advanced Edition V8.0 for Linux 資料ライブラリーにある他の資料を参照してください。

本書の対象読者

XL C/C++ 入門」は、IBM(R) XL C/C++ Advanced Edition V8.0 for Linux を扱う仕事をするよう計画している方、 Linux(R) オペレーティング・システムに精通している方、 および C および C++ のプログラミングを多少とも経験したことのある方を対象に書かれたものです。

本書の使用法

まだ XL C/C++ に慣れていない場合には、XL C/C++ の機能の概要に目を通して、XL C/C++ の主要な機能、およびご自身のアプリケーションを開発するためにこれを使用し始める方法に習熟してください。

すでに経験を積んだ XL C/C++ のユーザーであり、XL C/C++ の最新リリースにアップグレードする場合には、 直接V8.0 の新機能に進み、 コンパイラーに対する最新の変更と機能拡張を調べてください。

このガイドのその他の部分では、XL C/C++ での基本的なプログラム開発タスクの簡潔な概要を記載しています。

本書の構成

このガイドには、以下のトピックが含まれています。

本書で使用される規則および用語

書体の規則

次の表は、本書で使用されている書体の規則を説明しています。

表 1. 書体の規則
書体 示す内容
太字 コマンド、実行可能名、 プラグマ・ディレクティブ、およびコンパイラー・オプション。 -qmkshrobj コンパイラー・オプションを使用して、 生成されたオブジェクト・ファイルから共用オブジェクトを作成します。
イタリック 対応する実際の名前または値は、ユーザーが提供することになるパラメーターまたは変数。 イタリックは、また、新規の用語を導入する場合にも使用されます。 要求された size よりも大きいものを戻す場合には、size パラメーターを更新するよう確認してください。
モノスペース プログラミング・キーワードおよびライブラリー関数、コンパイラー組み込み関数、 ファイル名およびディレクトリー名、プログラム・コードの例、コマンド・ストリング、またはユーザー定義名。 未初期化ロック変数を用いて omp_destroy_lock を呼び出すと、 その呼び出しの結果は未定義になります。

構文図の読み方

本書全体にわたって、構文図が XL C/C++ 構文を図示しています。 このセクションは、構文図の解釈と使用に役立ちます。

句読記号、括弧、算術演算子、およびその他の特殊文字を、 構文の一部として入力する必要があります。

次の構文図の例は、#pragma comment ディレクティブの構文を示しています。


 1   2    3    4         5         6                               9  10 
 >>-#-pragmacomment(compiler)><
                          |                                     |
                          +date+
                          |                                     |
                          +timestamp+
                          |                                     |
                          ++copyright+++
                             |             |  |                 |
                             +user+  +,"characters"+

                                                 7  8 

以下の #pragma comment ディレクティブの例は、上掲の図に従って、構文的に正しいものです。

   #pragma
   comment(date)
   #pragma comment(user)
   #pragma comment(copyright,"This text will appear in the module")
   

本書に記載されている例は、特に注記がない限り、ストレージを節約する、エラーを検査する、 速いパフォーマンスを達成する、または特定の結果を得るための可能なあらゆる方法を示す、 といったことを試みることは行わない、単純な形式でコーディングしてあります。