構成ファイルのカスタマイズ

XL C/C++ は、インストール時にデフォルト構成ファイル /etc/opt/ibmcmp/vac/8.0/vac.cfg を生成します (インストール中に構成ファイルの生成に使用できる各種ツールについて詳しくは、「XL C/C++ インストール・ガイド」を参照してください)。構成ファイルは、コンパイラーが呼び出し時に使用する情報を指定します。

単一ユーザー・システムで稼働している場合や、コンパイル・スクリプトや Make ファイルを持つコンパイル環境がすでにある場合は、デフォルトの構成ファイルをそのままにしておくことができます。そうでない場合、特に多くのユーザーが幾つかのコンパイラー・オプションのセットの中から選択できるようにしたい場合は、既存のスタンザを変更するか、構成ファイルに新規の名前付きスタンザを追加することができます。例えば、-qnoroxlc コンパイラー呼び出しコマンドのデフォルトにするには、構成ファイルのコピー・バージョンの xlc スタンザに -qnoro を追加します。

既存のコマンドへのリンクである新規コマンドを作成することができます。例えば、xlc_r コマンドへのリンクを作成するには、以下のように指定することができます。

ln -s /opt/ibmcmp/vacpp/8.0/bin/xlc_r /home/lisa/bin/my_xlc

コンパイラー呼び出しコマンドは幾つかの異なる名前にリンクすることができます。 コンパイラーの呼び出し時に指定した名前により、コンパイラーが使用する構成ファイルのスタンザが決まります。 構成ファイルのコピーに他のスタンザを追加して、独自のコンパイル環境をカスタマイズすることができます。 コンパイラー呼び出しコマンドに -F オプションを使用して、追加のスタンザを 選択したり別の構成ファイル内の特定のスタンザを指定するためのリンクを作成することができます。 例えば、以下のように指定します。

xlc myfile.c -Fmyconfig.cfg:SPECIAL

こうすると、myconfig.cfg 構成ファイルの SPECIAL スタンザを使用して myfile.c がコンパイルされます。

別の名前でコンパイラーを実行すると、コンパイラーは対応するスタンザにリストされたオプションやライブラリーなどを使用します。

注:
  1. デフォルト構成ファイルを変更して、別のシステムに Make ファイルを移動またはコピーする場合は、変更した構成ファイルもコピーする必要があります。
  2. コンパイラーのプログラム一時修正 (PTF) またはアップグレードをインストールすると、vac.cfg ファイルが上書きされる可能性があります。したがって、そのようなインストールの前には必ず、行った変更のコピーを保管しておいてください。
  3. 構成ファイル内の分離文字としてタブを使用することはできません。 構成ファイルを変更する場合は、インデントには必ずスペースを使用してください。
  4. Message-Passing Interface (MPI) とスレッド化プログラミングを混用する場合は、vac.cfg ファイルで適切なスタンザを使用して、適切なライブラリーでリンクし、正しいデフォルトの振る舞いを設定してください。
  5. コンパイラー戻りコード 41 は、構成ファイル・エラーが検出されたことを示しています。