XL C/C++ のセットアップとカスタマイズ

この章では、 特定のセットアップとカスタマイズのトピックを詳細に説明する他の資料を指す参照用の情報とともに、XL C/C++ のセットアップとカスタマイズに関する概要の情報を記載します。

環境変数と XL C/C++

XL C/C++ は、いくつかの環境変数を使用して、 コンパイラーの操作のさまざまな局面を制御します。 環境変数は、以下に示す 2 つの基本的カテゴリーに分類されます。

コンパイラー作動環境の設定

以下の環境変数は、ご自身が選択される各国語の指定、 あるいはライブラリーまたは一時ファイルのロケーションの定義も含めて、 コンパイラーの基本的作動環境を定義します。 完全な情報については、 の中の『コンパイル環境のセットアップ』 を参照してください。

LANG
診断メッセージおよびコンパイラー・リストを表示するのに使用されるデフォルトの各国語ロケールを指定します。 この環境変数は、ランタイム動作に影響を与えます。
MANPATH
システム、コンパイラー、およびサード・パーティーの man ページ用の検索パスを指定します。
NLSPATH
メッセージ・カタログを見つけることができる 1 つ以上のディレクトリーのロケーションを指定します。 この環境変数は、ランタイム動作に影響を与えます。
PDFDIR
-qpdf オプションを使用してコンパイルする場合に、 プロファイル指示フィードバック情報が保管されるディレクトリーのロケーションを指定します。
TMPDIR
プログラムのコンパイル時に作成される一時ファイルをコンパイラーが保管するディレクトリーのロケーションを指定します。 この環境変数は、ランタイム動作に影響を与えます。

デフォルトのランタイム・オプションの設定

以下の環境変数は、コマンド行で、 またはご自身のプログラム・ソース内にあるディレクティブ内で指定されるコンパイラー・オプションの設定値によって、 明示的にオーバーライドされない限り、 コンパイラーによって使用されるランタイム・コンパイラー・オプション・デフォルトを定義します。 完全な情報については、 の中の『コンパイル環境のセットアップ』 を参照してください。

XL_NOCLONEARCH
汎用コードが、特定のプロセッサー・アーキテクチャー用にバージョン処理されていないコンパイル済みオブジェクト・コードである汎用コードのみを実行するようにプログラムに指示します。 XL_NOCLONEARCH 環境変数を設定して、 ユーザーが自身のアプリケーションをデバッグするのを助けることができます。
XLSMPOPTS
XLSMPOPTS 環境変数を使用すると、SMP の実行に影響を与えるランタイム・オプションを指定することができます。
OMP_DYNAMIC、OMP_NESTED、OMP_NUM_THREADS、OMP_SCHEDULE

これらの環境変数は、OpenMP 規格の一部です。 これらの環境変数を使用すると、 アプリケーションが並列コードのセクションを実行する方法を指定することができます。

構成ファイルのカスタマイズ

構成ファイルは、 コンパイラー・オプションおよびコンパイラー呼び出し用のデフォルト設定値を指定するプレーン・テキスト・ファイルです。 XL C/C++ は、コンパイラーのインストール時に、 ファイル /etc/opt/ibmcmp/vac/8.0/vac.cfg で、デフォルト構成を提供します。

ユーザーが単一ユーザー・システム上で実行している場合、 またはコンパイル・スクリプトまたは Make ファイルを備えたコンパイル環境をすでにもっている場合には、 デフォルト構成ファイルをそのままにしておくことが必要です。

代わりに、特定のアプリケーションまたはアプリケーション・グループによって要求される特別なコンパイル要件を満たすために、 追加のカスタム構成ファイルを作成することもできます。

カスタム構成ファイルの作成と使用に関する詳細については、の中の 『構成ファイルのカスタマイズ』 を参照してください。

どのレベルの XL C/C++ がインストールされているかの判別

特定のマシンにどのレベルの XL C/C++ がインストールされているかがわからない場合があります。 ソフトウェア・サポートに連絡を取る場合にこの情報を知る必要が生じます。

ご使用のシステムにインストールされたコンパイラーのバージョンおよび PTF リリース・レベルを表示するために、『-qversion』 コンパイラー・オプションを使用してコンパイラーを呼び出します。 たとえば次のようにします。

xlC -qversion