オペレーティング・システムで使用するように設定してエクスポートできる環境変数は多数あります。 以降の項では、XL Fortran コンパイラーとアプリケーション・プログラム、あるいはそのどちらか一方に特別に重要である 環境変数を扱います。
環境変数を、シェル・コマンド行から、またはシェル・スクリプト内で設定することができます。(環境変数の設定について詳しくは、使用しているシェルの man ページ・ヘルプを参照してください。) どのシェルを使用しているかわからない場合は、 echo $SHELL を発行して現行シェルの名前を 表示してください。
環境変数の内容を表示するには、echo $var_name コマンドを入力します。
コンパイラーからの診断メッセージおよびリストは、 オペレーティング・システムのインストール時に指定したデフォルトの言語で表示されます。 メッセージおよびリストを別の言語で表示したい場合は、 コンパイラーを実行する前に以下の環境変数を設定してエクスポートすることができます。
たとえば、日本語ロケールを指定するには、LANG 環境変数を ja_JP に設定します。
関連のあるメッセージ・カタログがインストールされている場合は、ja_JP の代わりに有効な 各言語コードを使用してください。
オペレーティング・システムがインストールされると、これらの環境変数は初期化され、コンパイラーで使用したい 環境変数とは異なる場合があります。
各カテゴリーは、それぞれ関連付けられている環境変数を持っています。 特定のカテゴリーの各国語を変更したいが、他のカテゴリーの各国語は変更したくないという場合は、対応する 環境変数を設定してエクスポートすることができます。
たとえば、次のようになります。
各国語サポート環境変数およびロケールの概念についての詳細は、 Linux 固有の資料および man ページ・ヘルプを参照してください。
実行可能プログラムが共用ライブラリーにリンクされている場合、ランタイム・ライブラリー検索パスを 設定する必要があります。 ランタイム・ライブラリー検索パスは、2 つの方法で設定できます。 以下のいずれかです。
コンパイル/リンク -R (または -rpath) オプションで 検索パスを指定すると、指定のランタイム・ライブラリー検索パスが実行可能プログラムに書き込まれます。 -L オプションを使用した場合、ライブラリー検索パスはリンク時に検索されますが、実行可能プログラムへの、 ランタイム・ライブラリー検索パスとしての書き込みは行われません。 たとえば、次のようになります。
# Compile and link xlf95 -L/usr/lib/mydir1 -R/usr/lib/mydir1 -L/usr/lib/mydir2 -R/usr/lib/mydir2 -lmylib1 -lmylib2 test.f # -L directories are searched at link time. # -R directories are searched at run time.
また、LD_LIBRARY_PATH および LD_RUN_PATH 環境変数を使用して ライブラリー検索パスを指定することもできます。 実行時にライブラリーの検索が行われるディレクトリーを指定するには、LD_RUN_PATH を使用します。 リンク時と実行時の両方にライブラリーの検索が行われるディレクトリーを指定するには、LD_LIBRARY_PATH を 使用します。
リンカー・オプションおよび環境変数の詳細については、ld コマンドの man ページを参照してください。
-qpdf コンパイラー・オプションを使用して Fortran をコンパイルする場合、 プロファイル情報を格納するディレクトリーの名前を PDFDIR 環境変数に設定することによって、 そのディレクトリーを指定できます。 コンパイラーはプロファイル情報を保持するファイルを作成し、-qpdf1 オプションを指定してコンパイルした アプリケーションを実行したときに、それらのファイルは更新されます。
プロファイル情報が誤った場所に格納されていたり、複数のアプリケーションによって更新されたりすると問題が 起きる可能性があるため、次のガイドラインに従うことをお勧めします。
XL Fortran コンパイラーは、コンパイル時に使用するために多数の一時ファイルを作成し、 XL Fortran アプリケーション・プログラムは、 STATUS='SCRATCH' でオープンされるファイルの一時ファイルを実行時に作成します。 デフォルトでは、これらのファイルは /tmp ディレクトリーに入れられます。
これらのファイルが入るディレクトリーを変更したい場合は、 すべての一時ファイルを保持できるほど /tmp が大きくないので、 コンパイラーまたはアプリケーション・プログラムを実行する前に、 TMPDIR 環境変数を設定してエクスポートしてください。
以下に示す XLFSCRATCH_unit の方法を使用してスクラッチ・ファイルを明示的に指定した場合、 TMPDIR 環境変数はそのファイルに影響を与えません。
スクラッチ・ファイルに特定の名前を指定するには、 実行時オプションの scratch_vars=yes を設定し、 それから 1 つ以上の環境変数に、 それらのユニットがスクラッチ・ファイルとしてオープンされたときに使用されるファイル名を XLFSCRATCH_unit の形式で設定します。 例は『スクラッチ・ファイルの命名』を参照してください。
暗黙に接続されるファイル、 または FILE= 指定子なしにオープンされるファイルの名前を指定するには、 まず実行時オプションの unit_vars=yes を指定し、 次に XLFUNIT_unit という形式の名前が付いた 1 つ以上の環境変数をファイル名に設定します。 例は『明示的名前なしで接続されるファイルの命名』を参照してください。