AIX オペレーティング・システムでは OBJECT_MODE 環境変数がサポートされるので、ユーザーは 64 ビットの開発環境を使用できます。 AIX ツールでは OBJECT_MODE という設定値を使って、使用または作成するオブジェクトのタイプを判別します。 OBJECT_MODE 環境変数では、3 つ設定値が認識されます。
XL Fortran コンパイラーでは、起動時に OBJECT_MODE 環境変数の設定値を使ってデフォルトのビット・モードを判別します。以下の表には、OBJECT_MODE 環境変数の各設定値に設定されるデフォルトのビット・モードおよびオプションを示します。
表 17. OBJECT_MODE の設定値で判別されるデフォルト・ビット・モード
OBJECT_MODE の設定 | デフォルトのビット・モード | デフォルト・オプションの設定 |
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未設定 | 32 ビット | -q32 |
32 | 32 ビット | -q32 |
64 | 64 ビット | -q64 |
32_64 | 使用不可 | n/a |
コマンド行または構成ファイルで以下のオプションを指定すると、デフォルトのオプションがオーバーライドされます。
重要な注意 |
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起動時に OBJECT_MODE の設定値が分からない場合に、デフォルトのビット・モードを判別するのに OBJECT_MODE を使用すると、深刻な事態を招くことがあります。たとえば、OBJECT_MODE が 64 に設定されていることを知らないと、思いもかけずに 64 ビットのオブジェクト・ファイルが与えられることがあるかもしれません。 そのため、常に OBJECT_MODE の設定値に気を付けるようにし、ご自分で OBJECT_MODE を設定して、必ずコンパイラーが正しいビット・モードで起動されるようにすることを強くお勧めします。 |
XL Fortran に付けて提供される Fortran モジュール・ファイルでは、 64 ビットがサポートされます。 64 ビットの Fortran モジュールは 32 ビットの Fortran モジュールと同じ名前が付けられ、別のディレクトリー (/usr/lpp/xlf/include_64) で提供されます。 64 ビット LDT をサポートするモジュール・ファイルは、 /usr/lpp/xlf/include_64ldt ディレクトリー中に出荷されています。