XL Fortran for AIX V8.1.1

ランゲージ・リファレンス

+---------------------------------Fortran 95---------------------------------+


Fortran 95 とは何か

Fortran 95 言語標準には、Fortran 90 と FORTRAN 77 言語標準の機能の大部分が含まれています。 しかしながら、Fortran 90 と FORTRAN 77 言語標準の機能のうちごく一部が Fortran 95 では削除されています。詳細については、削除された機能を参照してください。 Fortran 95 標準では、主に次の点が向上しています。

FORALL

Fortran 95 では、Fortran 90 の配列値のエレメント型構造によって、エレメント型の効果的な代替方法を提供しています。 FORALL ステートメントを使用すると、配列エレメント、配列セクション、文字サブストリング、またはエレメント型添え字の関数としてのポインター・ターゲットを明示的に指定することができます。

詳細については、FORALLを参照してください。

PURE

Fortran 95 関数には、副次作用がある場合があります。発生する可能性がある副次作用には、引き数の値またはグローバル変数の値の変更があります。副次作用に関連した問題を避けるために、Fortran 95 では関数が副次作用の影響を受けないように指定することができます。これらの関数のことを、PURE 関数といいます。 PURE プロシージャーの制限付き書式のことを ELEMENTAL といいます。

詳細については、純粋プロシージャーを参照してください。

ELEMENTAL

Fortran 95 では、エレメント型のプロシージャーを用意する代わりに効果的な方法を組み込んでいます。 Fortran 90 では、エレメント型のプロシージャーを用意するために、 8 つのバージョンのプロシージャーを作成する必要がありました。つまり、スカラー操作用に 1 つ、1 〜 7 ランクの配列用にそれぞれ 1 つずつのプロシージャーです。 2 つの配列引き数を使用する場合には、 16 ものバージョンのプロシージャーが必要になります。 ELEMENTAL を使用すると、同じ機能を持つ単一のプロシージャーを作成することができます。

詳細については、エレメント型プロシージャーを参照してください。

初期化

Fortran 95 は、Fortran 90 からの機能向上として、初期ポインターの関連付け状況を定義する手段を提供しています。 Fortran 95 では、NULL 組み込み関数を使用することによって、初期ポインターの関連付け状況が未定義以外に設定されます。

詳細については、 NULL(MOLD)を参照してください。

また、Fortran 95 には、派生型コンポーネントのデフォルトの初期値を指定する方法が備えられており、Fortran のデータ抽象化機能が拡張されています。

詳細については、派生型を参照してください。

仕様関数

Fortran 95 は、Fortran 90 からの機能向上として、宣言式の中にユーザー定義関数を使用できます。仕様関数は、PURE 関数でなければなりません。これにより、同じ specification_part に宣言されている他のオブジェクトに副次的な作用が及ぶことがなくなります。

詳細については、宣言式を参照してください。

削除された機能

Fortran 95 では、Fortran 90 と FORTRAN 77 言語の標準の機能のうちごく一部が削除されています。 FORTRAN 95 から削除された機能は、Fortran 標準化委員会によって、最新のプログラミングの業務にほとんど準拠していないと見なされたものです。ただし、削除された機能に代わる有効な機能があるので、機能そのものは Fortran 95 から削除されていません。

XL Fortran は、Fortran 95 標準仕様から削除された機能を引き続きサポートしています。

詳細については、削除された機能を参照してください。

+------------------------------Fortran 95 の終り------------------------------+


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