XL Fortran for AIX V8.1.1

ユーザーズ・ガイド


第 7 章 XL Fortran 浮動小数点処理

部分目次

  • IEEE 浮動小数点の概要
  • IEEE を厳守するためのコンパイル方法
  • IEEE 単精度値および倍精度値
  • IEEE 拡張精度値
  • 無限大と NaN
  • 例外処理モデル
  • ハードウェア固有の浮動小数点の概要
  • 単精度および倍精度の値
  • 拡張精度値
  • XL Fortran の浮動小数点計算の丸め方
  • 丸めモードの選択
  • 丸め誤差の最小化
  • 全体にわたる丸めの最小化
  • 実行時までの丸めの遅延
  • 丸めモードでの整合性の確保
  • 他のシステムの浮動小数点結果の再現
  • 浮動小数点パフォーマンスの最大化
  • 浮動小数点演算例外の検出とトラップ
  • 浮動小数点演算例外をトラップするためのコンパイラー機能
  • 浮動小数点演算例外をトラップするためのオペレーティング・システム機能
  • 例外ハンドラーのインストール
  • コア・ファイルの作成
  • 浮動小数点状況および制御レジスターの制御
  • xlf_fp_util プロシージャー
  • fpgets および fpsets サブルーチン
  • 例外処理のためのサンプル・プログラム
  • 特定の変数に対して例外を発生させるには
  • 浮動小数点演算例外のトラップによるパフォーマンスへの影響の最小化
  • POWER および POWER2 アーキテクチャーでの浮動小数点処理
  • 計算の精度
  • POWER プロセッサーでの SQRT 操作における無効な演算例外
  • この章では、次のような、浮動小数点処理についてよくある疑問にお答えします。

    関連情報:
    この章では、浮動小数点処理のためのオプションにおいてと、特に -qfloat オプションにおいて、グループにまとめられているコンパイラー・オプションを繰り返し参照します。 XL Fortran コンパイラーは、例外処理と IEEE 算術演算サポート用の 3 つの組み込みモジュールも提供して、移植性を容易にする IEEE モジュール準拠のコードを作成する助けとします。詳細については、「XL Fortran for AIX ランゲージ・リファレンス 」にある『 IEEE モジュールとサポート 』を参照してください。

    浮動小数点の計算にコンパイラー・オプションを使用すると、浮動小数点計算の精度、パフォーマンス、そしておそらくは正確さに影響があります。ほとんどのプログラムを効率よくかつ正確に実行するように各オプションのデフォルト値は選択されていますが、思いどおりにアプリケーションを処理するには、デフォルト以外のオプションが必要になる場合もあります。それらのオプションを使用する前に、この章をお読みになることを強くお勧めします。

    注:
    この章の単精度、倍精度、および拡張精度の計算に関する説明はすべてデフォルト状態、すなわち -qrealsize=4 が指定され、-qautodbl が指定されていない状態のことを述べています。これらの設定値を変更する場合、 Fortran の REALDOUBLE PRECISION などのサイズを変更しても、単精度、倍精度、および拡張精度 (小文字) の用語はやはり、それぞれ 4 バイト、8 バイト、および 16 バイトのエンティティーを指すことを念頭に置いておいてください。

    この章の内容の大半は、PowerPC ファミリー・プロセッサーでの浮動小数点処理に関するものです。この項では、 POWER および POWER2 アーキテクチャーでの浮動小数点処理 PowerPC プロセッサーでの浮動小数点処理と、 POWER および POWER2 プロセッサーでの浮動小数点処理との違いについて説明します。


    [ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]