XL Fortran for AIX V8.1.1
ユーザーズ・ガイド
この用語集では、本書で頻繁に使用する用語を解説します。ここには、米国規格協会が作成した定義と、IBM Dictionary of Computing からの項目が含まれています。
- [ア行]
- アクティブ・プロセッサー (active processors)
- オンライン・プロセッサーを参照。
- アンセーフ・オプション (unsafe option)
- 不正なコンテキストで使用した場合に重大な不正結果を生じる可能性があるオプション。それ以外のオプションは、デフォルトの結果とあまり異ならない、通常は許容される結果を生じる。通常、アンセーフ・オプションを使用すると、該当するコードがそのオプションをアンセーフにする条件に適合しないと断言していることになる。
- オンライン・プロセッサー (online processors)
- アクティブ・プロセッサー とも呼ばれる。 マルチプロセッサー・マシンでは、システム管理者が活動化する (オンラインにする) プロセッサーを指す。このプロセッサーの数は、マシンに実際に取り付けられている物理プロセッサーの数と等しいかそれより少ない。
- [カ行]
- 外部名 (external name)
- あるコンパイル単位から別のコンパイル単位への参照を解決するためにリンカーが使用する、共通ブロック、サブルーチン、またはその他のグローバル・プロシージャーの名前。
- 環境変数 (environment variable)
- プロセスの操作環境を記述する変数。
- 関数 (function)
- 単一の変数値を戻すプロシージャー。通常は、単一の出口を持つ。
- 組み込みプロシージャー (intrinsic procedures)
- Fortran は、すべてのプログラムで使用できる組み込みプロシージャーと呼ばれる複数のプロシージャーを定義している。
- 高位変換 (high order transformations)
- 最適化の一種で、ループを構造化し直す。
- 構文 (syntax)
- ステートメントの構造に関する規則。
セマンティクス と対比。
- コンパイル (compile)
- 高水準プログラミング言語で作成されたプログラムを機械語プログラムに変換すること。このタスクを実行するプログラムをコンパイラー という。
- [サ行]
- サブルーチン (subroutine)
- CALL ステートメントまたは定義された割り当てステートメントから呼び出されるプロシージャー。
- 実行可能プログラム (executable program)
- 実行可能なプログラム。メインプログラムと、任意で選択する 1 つまたは複数のサブプログラムまたは
Fortran 以外で定義された外部プロシージャー (あるいはその両方) から構成される。
- 自動並列化 (automatic parallelization)
- 明示的にコーディングされた DO ループ、および配列言語のためのコンパイラーが生成した DO ループとを、コンパイラーが並列化しようとする処理。
- スタンザ (stanza)
- ファイル内の行グループのことで、この行グループは共通の機能を持っているか、あるいはシステムの一部を定義している。スタンザは通常ブランク行かコロンで分離されており、各スタンザには名前が付いている。
- スピル・スペース (spill space)
- レジスターに保持する変数の数が多過ぎて、プログラムがレジスターの内容用の一時ストレージを必要とする場合に備えて、個々のサブプログラムに確保するスタック空間。
- スリープ (sleep)
- 別のスレッドがそのスレッドに作業を実行するようにシグナルを送るまで実行が完全に中断されている状態。
- スレッド (thread)
- プロセスの集合で、その順序によってプロセスが実行に適格かどうかが決定される。スケジュールの対象となるエレメントで、タイム・スライス、ロック、およびキューなどのリソースが割り当てられる。
- セマンティクス (semantics)
- 複数の文字や複数文字の集合における、その意味上の関係。これは解釈方法や使用法からは独立している。
構文 と対比。
- ソフト制限 (soft limit)
- 処理に対して現在有効なシステム・リソースの制限。ソフト制限の値は、ルート権限がなくても処理によって拡大または緩和できる。リソースに対するソフト制限は、ハード制限の設定値を超えて拡大することはできない。
- [タ行]
- 対称マルチプロセッサー(Symmetric Multi-Processor)
- SMP を参照。
- タイム・スライス (time slice)
- タスクを実行するために割り当てられる、処理装置上の時間間隔。その時間間隔が満了すると、処理装置時間は別のタスクに割り振られるため、
1 つのタスクが一定の制限時間を超えて処理装置を独占することはできなくなる。
- チャンク (chunk)
- 連続するループ反復のサブセット。
- データ型 (data type)
- データと機能の特徴を定義する特性および内部表現。
- データ・オブジェクト (data object)
- 変数、定数、または定数のサブオブジェクト。
- データ・ストライピング (data striping)
- データを複数の記憶装置に分散すること。これによって I/O 操作を並列実行でき、パフォーマンスが向上する。
ディスク・ストライピング とも呼ばれる。
- 同期 (synchronously)
- 割り込みによって生じるシグナルが生成される方法。
- 動的ディメンション (dynamic dimensioning)
- ポインティング先が参照されるたびに、そのポインティング先配列の境界が再評価される過程。
- トリガー定数 (trigger constant)
- 注釈行をコンパイラーの注釈ディレクティブとして識別する文字列。
- [ハ行]
- ハード制限 (hard limit)
- 拡大または緩和するためにルート権限が必要な、システム・リソースによる制限。
- 非数値 (not-a-number (NaN))
- 浮動小数点形式でエンコードされたシンボルのエンティティー。
NaN には 2 つの種類がある。シグナル NaN がオペランドに指定されると、無効な演算例外のシグナルが出される。静止 NaN は、例外のシグナルを出すことなくほとんどの操作に伝わる。どちらの種類の NaN も、数値でないものすべてを表す。シグナル NaN の意図は、初期化されていない変数の使用などのプログラム・エラーを検出することにある。静止 NaN の意図は、NaN の結果を後続の計算に伝えることにある。
- 非正規数 (denormalized number)
- 以下の特性を持つゼロ以外の浮動小数点数。
- 指数には予約済みの値 (通常はその形式の最小値) がある。
- 明示的または暗黙的な先頭有意ビットはゼロである。
- 非同期 (asynchronously)
- スレッドのコードを実行すると生じる信号が生成される方法。
- 浮動小数点数 (floating-point number)
- 別々の数値の対で表される実数。最初の数値である小数部と、あらかじめ決められた浮動小数点の基数を 2 番目の数値でべき乗したものとの積。
- プロシージャー (procedure)
- プログラムの実行時に呼び出されることのある計算。プロシージャーは、関数またはサブルーチンの場合もある。また、組み込みプロシージャー、外部プロシージャー、モジュール・プロシージャー、内部プロシージャー、ダミー・プロシージャー、ステートメント関数などの場合もある。サブプログラムに ENTRY ステートメントが含まれていると、このサブプログラムは複数のプロシージャーを定義することがある。
- ページ・スペース (paging space)
- 仮想記憶域内に常駐しているが、現在はアクセスされていない情報を保管するためのディスク・ストレージ。
- 米国規格協会 (American National Standards Institute (ANSI))
- コンピューターおよび業務装置製造協会 (Computer and Business Equipment Manufacturers Association) 後援の組織。この協会を通じて、正式認可されたいくつかの組織が、独自の業界標準を作成し、保守している。
- ポインティング先配列 (pointee array)
- INTEGER ポインター・ステートメントまたは他の仕様ステートメントで宣言された、明示形状または想定サイズの配列。
- ホレリス定数 (Hollerith constant)
- XL Fortran による表現が可能な任意の文字のストリングで、
nH で始まるもの。ここで、n はストリング内の文字数を示す。
- [マ行]
- メインプログラム (main program)
- プログラムの実行時に最初に制御が渡されるプログラム・ユニット。
- [ラ行]
- ライセンス・ユース管理 (License Use Management (LUM))
- お客様がコンパイラーの使用を監査する方式を必要とする場合、
XL Fortran コンパイラーは、LUM (ライセンス使用管理) を使用して制御されるライセンス管理 (LM) となる。ライセンス使用管理は、以前は NetLS / iFOR/LS 製品を指していた。
- リンカー (linker)
- 別々にコンパイルまたはアセンブルされたオブジェクト・モジュール間の相互参照を解決し、最終アドレスを割り当て、再配置可能ロード・モジュールを作成するプログラム。単一のオブジェクト・モジュールをリンクすると、リンカーはそのモジュールを再配置可能にする。
- リンク・エディット (link-edit)
- リンカーを使用してロード可能なコンピューター・プログラムを作成すること。
- ロード・バランシング (load balancing)
- 作業負荷を複数のプロセッサー間で均等に配分することを目的とした最適化ストラテジー。
- [数字]
- 1 トリップ DO ループ (one-trip DO-loop)
- 反復カウントが 0 でも、到達したら 1 回は実行される DO ループ。
(このループ・タイプは FORTRAN 66 からものである。)
- A
- alias (別名)
- コンピューター・プログラム内にあるデータ・オブジェクトやデータ・ポインターの代替ラベル。
- B
- BSS ストレージ (bss storage)
- 初期化されていない静的ストレージ。
- busy-wait
- スレッドが堅固なループ内で実行されていて、作業をすべて終了したので行うべき作業がないため、他の作業を探しているときの状態。
- F
- Fortran (Formula Translation)
- 高水準プログラミング言語の 1 つで、主に科学、技術、計算アプリケーションに使用される。
- I
- i ノード (i-node)
- オペレーティング・システム内の個別のファイルを説明する内部構造。各ファイルには 1 つの i ノードがある。
i ノードには、ファイルのノード、タイプ、所有者、および位置が含まれる。
i ノードのテーブルは、ファイル・システムの先頭近くに格納される。ファイル索引と同義語。
- IPA
- 最適化の一種で、プロシージャーの境界を超えて、また、別々のソース・ファイルに入ったプロシージャー呼び出しにまたがって最適化を行うことができる。
- N
- NaN
- 非数値を参照。
- P
- PDF
- プロファイルの結果を反映したフィードバック。最適化の一種で、アプリケーション実行中に収集した情報を使用して、条件付き分岐および頻繁に実行されるコード・セクションのパフォーマンスを向上させる。
- S
- SMP
- 対称マルチプロセッサー (Symmetric Multi-Processor)。システム上のどのプロセッサーからもまったく同じように見なされるマシン。
- U
- Unicode
- 世界の主要な言語の書式を表現、変換、処理、記憶、入力、および表示するための単一のコードを定義する ISO 10646 規格の名前である、
Universal Coded Character set (UCS) の非公式の呼び方。
- [特殊文字]
- _main
- プログラマーがメインプログラムに名前を付けていない場合に、コンパイラーが割り当てるデフォルトの名前。
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