パフォーマンスが重要なアプリケーションの場合、I/O 操作についてのジャーナル・ファイル・システム (JFS) のオーバーヘッドにより、プログラムの速度が低下する場合があります。また、大きなスクラッチ・ファイルを生成するプログラムでは、I/O 帯域幅によってパフォーマンスが制限される場合があります。ファイル・システムにではなく、論理ボリュームに直接 I/O を行うと、 JFS のオーバーヘッドをなくすことができます。論理ボリュームに対してデータ・ストライピングを使用すれば、スループットかプロセッサー使用率、またはその両方をさらに向上させることができます。
論理ボリュームをファイルとして使用するには、下のことを行ってください。
重要: この I/O を、すでにファイル・システムが入っている論理ボリュームに対して実行してはなりません。実行した場合、ファイル・システムが破壊されます。また、複数のユーザーまたはプログラムが同じ論理ボリュームへ書き込んだり、他のだれかが読み取り中の論理ボリュームへ書き込まないようにするため、必要な予防措置を講じておかなければなりません。
注:
データ・ストライピングは、主として、大きな直接アクセス・スクラッチ・ファイルの I/O ステートメントを向上させるのに役立ちます。パフォーマンスは、プログラムが大きなオブジェクトを読み書きするときに最大になります。
データ・ストライピングを利用する場合は、論理ボリューム I/Oで説明したように論理ボリュームに対して I/O を行い、smit コマンドまたは mklv コマンドによって論理ボリュームを高性能ストライプ I/O 用に特別にセットアップします。その後、スクラッチ・ファイルの命名にある技法を使用してスクラッチ・ファイルをストライプ論理ボリューム上に置くことができます。
たとえば、Fortran プログラムに次のステートメントが入っているとします。
OPEN (UNIT=42, STATUS='SCRATCH', + FORM='UNFORMATTED', ACCESS='DIRECT', RECL=131072) ... OPEN (UNIT=101, STATUS='SCRATCH', + FORM='UNFORMATTED', ACCESS='DIRECT', RECL=131072)
この場合、プログラムを実行する前に次のように環境変数を設定すれば、装置 42 と装置 101 のスクラッチ・ファイルを未処理の論理ボリューム /dev/rlv30 および /dev/rlv31 に配置できます。
XLFRTEOPTS="scratch_vars=yes" XLFSCRATCH_42="/dev/rlv30" XLFSCRATCH_101="/dev/rlv31" export XLFRTEOPTS XLFSCRATCH_42 XLFSCRATCH_101