浮動小数点計算を効率的に処理するための、特殊なコンパイラー・オプションがあります。 デフォルトでは、コンパイラーはパフォーマンスを向上させるために IEEE 浮動小数点規則に対する違反との トレードオフを行います。 たとえば、乗算-加算命令がデフォルトで生成されます。 これは、個別の乗算および加算命令よりも高速で、より正確な結果を出すためです。 オーバーフローやゼロ除算のような浮動小数点例外は、デフォルトでマスクされます。 このような例外をキャッチする必要がある場合は、例外のハードウェア・トラッピングを使用可能にするか、または ソフトウェア・ベースの検査を使用するかを選択できます。 オプション -qflttrap は、ソフトウェア・ベースの検査を使用可能にします。 POWER4、POWER5、または PowerPC 970 プロセッサーでは、ハードウェア・トラッピングをお勧めします。
浮動小数点計算を扱うためのオプション | |
オプション | 説明 |
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-qfloat | 浮動小数点計算の処理に対して正確な制御を提供します。 |
-qflttrap | IEEE 浮動小数点例外のソフトウェア検査を使用可能にします。 検査を行う頻度が少なくてすむため、この技法はハードウェア検査より有効な場合があります。 |
コンパイラー・オプションの別の組み合わせを指定した場合、浮動小数点計算の パフォーマンスで考慮すべき点については、浮動小数点パフォーマンスの最大化およ び 浮動小数点演算例外のトラッピングによるパフォーマンスへの影響の最小化を参照してください。