XL Fortran 実行時環境

XL Fortran コンパイラーが作成するオブジェクト・コードは、 特定の複合タスクを処理するために、 コンパイラーが提供するサブプログラムを実行時に呼び出すことがあります。 このようなサブプログラムは各種ライブラリーに入っています。

XL Fortran 実行時環境の機能は、次のように分類されます。

XL Fortran 実行時環境は、システムの環境に対応する各国語で診断メッセージを作成します。 静的にバインドを行わない限り、XL Fortran 実行時環境を使用しないで XL Fortran コンパイラー作成のオブジェクト・コードを実行することはできません。

XL Fortran 実行時環境には上位互換性があります。 あるレベルの実行時環境とオペレーティング・システムでコンパイルしたプログラムを実行するには、 コンパイル時と同じかそれ以上のレベルの実行時環境とオペレーティング・システムが必要となります。

実行時環境の外部名

実行時サブプログラムはライブラリーに入れられます。 デフォルトでは、コンパイラー呼び出しコマンドがリンカーを呼び出し、これにライブラリーの名前を 付けます。このライブラリーには、Fortran オブジェクト・コードによって呼び出される 実行時サブプログラムが含まれています。

このような実行時サブプログラムの名前が外部シンボルです。 XL Fortran コンパイラーによって作成されたオブジェクト・コードが実行時サブプログラムを呼び出す時点では、 .o オブジェクト・コード・ファイルにそのサブプログラムの名前の外部シンボル参照が含まれています。 ライブラリーには、そのサブプログラムの外部シンボル定義が含まれています。 リンカーはこのサブプログラム定義で実行時サブプログラム呼び出しを解決します。

XL Fortran プログラムでは、実行時サブプログラムの名前と競合する名前を使用しないでください。 名前の競合は、次の 2 つの条件下で起こる可能性があります。

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