DB2 Everyplace 同期サーバー ヘルプ


DB2 Everyplace の概念

A

アダプター (Adapter)

アダプターは、同期サーバーがどのようにデータ・ソースと対話するかを定義します。組み込みのデフォルトのアダプターは、DataPropagator、JDBC、およびファイル・アダプターです。エージェント・アダプターは、データ・ソースおよびストアード・プロシージャーへの直接アクセスに組み込まれます。新規アダプターは、既存のアダプターの振る舞いをカスタマイズするか、または新規アダプターをインストールすることによって作成されます。

管理制御データベース (Administration control database)

同期オブジェクトを作成、編集、または削除すると、モバイル・デバイス管理センターは、この管理情報をソース・システムに格納されている制御データベースに記録します。このデータベースの名前は DSYCTLDB です。DSYCTLDB は予約名であり、データベース名を変更したり、あるいはシステム内の別のデータベースに DSYCTLDB という名前を使用したりすることはできません。

インストール時に作成されると、制御データベースは同期サーバーがユーザーを認証し、同期要求の複写するものを判別するサブスクリプション情報を得るのに役立ちます。ここには、同期操作についての状況情報とともに同期セットアップ情報が入っているため、定期的に管理制御データベースのバックアップを取るようにしてください。



C

カスタム・アダプター (Custom Adapter)

カスタム・サブスクリプション (Custom Subscription)



D

データ・フィルター (Data filter)

データ・フィルター は、表列およびその値を指定するパラメーター値のペアです。グループの作成時にこのフィルターを指定することができます。フィルターでは、表のどの行が同期要求に含まれるかを指定します。列およびその値は、グループで使用するサブスクリプションの SELECT ステートメントの WHERE 文節に置き換えられます。サブスクリプションの作成時に、この WHERE 文節を入力します。この WHERE 文節は、同期化中にソース・データベースにサブミットされ、DB2 Everyplace 同期サーバーが指定されたグループで要求されたデータのサブセットのみを返すようにします。

表のサブセットのみが複写されるため、データ・フィルターはグループ固有のデータのセキュリティーを提供し、同期化パフォーマンスの向上の手助けとなります。

Eastside hospital のデータ・フィルターを設定するには、パラメーター名と値は以下のようになります。

パラメーター名 = Hospital
Default Value = Eastside

西区域の Foothill hospital のデータ・フィルターは、次のようになります。

パラメーター名 = Hospital
Default Value = Foothill

ハードコーディングされたパラメーターの値の代わりに、DB2 変数を使用し、次に各ユーザーを作成するときにデータ・フィルター値を入力することによって、個々のユーザーにデータ・フィルターを設定することもできます。この場合、グループ・フィルターは次のようになります。

パラメーター名 = :HOSPITAL
Default Value = None

次に、個々のユーザー・フィルターの値を割り当てます。

DataPropagator サブスクリプション (DataPropagator subscription)

DataPropagator サブスクリプション は、ソース表内のデータをどのようにターゲット、モバイル、またはシステム上の表に複写するかの指定を提供します。たとえば、DataPropagator サブスクリプションは、サブスクリプションのユーザーがもっている、データおよび同期化中に複写される列または行へのアクセス権についての情報を提供します。

データ同期グループ (Data synchronization group)

データ同期グループ は、一意的に名前を付けられたユーザー、または似たようなデータ同期要件をもつユーザーのコレクションです。ユーザーをグループに編成すると、同期サービスを同一の方法で多くのユーザーに送達するために必要な労力を最小化する手助けになります。

必要なデータおよびファイルにアクセスするために、ユーザーをグループに割り当てることを許可するには、情報を参照するレプリケーション・サブスクリプションを作成、これらのサブスクリプションをアプリケーションでバンドルし、そのアプリケーションをグループに割り当てます。



F

ファイル・サブスクリプション (File subscription)

ユーザーに必要なファイルへのアクセスを提供するには、1 つまたは複数のファイル・サブスクリプションを定義します。複数の表を含むことができる DataPropagator サブスクリプションと異なり、ファイル・サブスクリプションに含めるファイルは 1 つだけです。よって、複数のファイルにアクセスする必要のあるユーザーのグループでは、複数のファイル・サブスクリプションを作成し、アプリケーションに割り当てなければなりません。ファイルを複数のサブスクリプションで参照することはできません。

グループにサブスクライブするファイルは、ソース・サーバーにあるどのファイルでも構いません。たとえば、アプリケーションが機能するために必要なリソース・ファイルでも、朝の会議の草案を含むフラット・ファイルでも構いません。



J

JDBC サブスクリプション (JDBC subscription)

JDBC サブスクリプション は、ソース表内のデータをどのようにターゲット、モバイル、またはシステム上の表に複写するかの指定を提供します。たとえば、JDBC サブスクリプションは、サブスクリプションのユーザーがもっている、データおよび同期化中に複写される列または行へのアクセス権についての情報を提供します。

JDBC サブスクリプションは、トリガーを基にした JDBC アダプターを、同期用に使用します。



L

ログ (Log)

モバイル・データ同期をインプリメントした後、ログ・オブジェクトに書き込まれているエラー・メッセージを使用して、日常の同期操作をモニターすることができます。

ログ・フォルダーを選択すると、ログがコンテンツ・ペインに表示されます。



Q

QBE (例示照会) (QBE)

DB2 Everyplace データベース・ソフトウェアは例示照会プログラム (QBE) と呼ばれるアプリケーションと一緒に出荷され、ユーザーは、SQL ステートメントを書き、それをデータベース・サーバーに直接発行することができます。このアプリケーションを同期化するには、モバイル・デバイス管理センター内の他のアプリケーション・オブジェクトとして定義します。ただし、組織内での SQL の知識のレベルによっては、このアプリケーションをデータベース管理者またはアプリケーション・プログラマーにのみ使用可能にして、エンド・ユーザー用に独自のアプリケーションを作成するのがよいでしょう。



R

レプリケーション・サブスクリプション (Replication subscription)

ソース・システム (エンタープライズ・サーバー) 上の情報をどのように記述するかをターゲット・システム (モバイル・デバイス) に複写します。雑誌の購読において、定期的に購読できる情報の種類を選択できるように、サブスクリプションでは、グループ・メンバーがアクセスできるエンタープライズのデータやファイルのサブセットを定義することができます。メンバーは、このデータやファイルのサブセットだけにアクセスしたり、同期化したりし、セキュリティーとパフォーマンスの両方の向上につながります。 2 つのタイプのサブスクリプションを作成することができます。ソース・サーバーに格納されているファイルのファイル・サブスクリプションと、ソース・データベース内の表の DataPropagator のサブスクリプションです。



S

ソース・データベース (Source database)

ソース・データベース は、データ複写用にソースとして提供されるデータベースです。

サブスクリプション・セット (Subscription set)

サブスクリプション・セット はレプリケーション・サブスクリプションのコンテナーです。サブスクリプション・セットをグループに割り当てて、そのメンバーが、アプリケーションの一部であるレプリケーション・サブスクリプションに定義されているデータやファイルにアクセスできようにします。割り当てることができるサブスクリプションは DataPropagator サブスクリプション、 JDBC サブスクリプション、カスタム・サブスクリプションのいずれかです。各サブスクリプション・セットに含めるサブスクリプションの数に制限はありません。

ユーザーがデバイス上のユーザー・ソフトウェアの同期を開始するときに、同期するサブスクリプション・セットを選択します。このサブスクリプション・セットのメニューは、ユーザーのグループに関連したサブスクリプション・セットのリストから作成されます。

そのメンバーが必要とするデータおよびファイルにアクセスするためにモバイル・ユーザーのグループを使用可能にするには、レプリケーションに使用可能なデータ・ソースとして表およびファイルを定義するレプリケーション・サブスクリプションにそのサブスクリプション・セットを関連付けてください。

たとえば、巡回医療サービスのグループが、ジョブを実行するのに vnurse.prc と呼ばれるアプリケーションを使用するとします。vnurse.prc アプリケーションは、エンタープライズ・サーバー上の「患者」および「スケジュール」表内の患者、およびスケジュール情報にアクセスします。使用するユーザー・デバイスにこのデータを複写するために、DB2 Everyplace 同期サーバーを使用する看護婦を使用可能にするには、 2 つのレプリケーション・サブスクリプションを定義する必要があります:

サブスクリプションを定義した後、サブスクリプションをサブスクリプション・セットに関連付け、サブスクリプション・セットを VNURSE グループに割り当て、医療巡回サービスで必要なデータを複写できるようにします。巡回医療サービスがデータを同期化すると、「患者」および「スケジュール」表に更新し、リソース・ファイルの最新のコピーを受け取ります。

サブスクリプション・セットと関連付けるサブスクリプションの数に制限はありません。



T

ターゲット・データベース (Target database)

ターゲット・データベース は、ソース・システムから複写されたデータを受信するモバイル・デバイス上のデータベースです。



U

ユーザー (User)

ユーザー は、エンタープライズ・サーバーでデータを同期する必要がある人物です。ユーザーには、エンタープライズ・システムとデータの複写を行なうために、DB2 Everyplace 同期サーバーとの通信を可能にするモバイル・デバイスがあります。ユーザーは、データ・アクセスおよび同期に対して類似した要求をもつユーザーのグループ、コレクションを形成します。ユーザーをグループに編成すると、同期サービスを同一の方法で多くのユーザーに送達するために必要な労力を最小化する手助けになります。

ユーザーが属することができるのは 1 グループのみです。ただし、同期の必要性における変更を適応させるために、ユーザーをあるグループから別のグループに移動することができます。

無制限の数のユーザーを 1 つのグループに割り当てることができます。




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