保険査定員は、顧客から請求のあった物品の損害についての調査を担当します。ほとんどの保険会社では、査定員が請求者の所有物を実際に見に行って調べ、用紙に必要事項を記入し、支払うべき損害額を査定します。その後、査定員はオフィスに戻り、用紙の内容をその会社のコンピューター・システムに手作業で入力しますが、これは退屈な作業であり、コストもかかります。
DB2 Everyplace アプリケーションが使えるモバイル・デバイスを査定員に持たせることにより、この処理を大幅に合理化できます。モバイル・デバイスを使用することにより、査定員はどこにいても査定のスケジュールや手順、および顧客の保険契約情報にアクセスできます。また、モバイル・デバイス上で査定用紙に記入をすることも可能です。オフィスに戻った後、モバイル・デバイスにある新しい査定データを会社のエンタープライズ・データベースにアップロードして、会社のコンピューター・システムに同期させることができます。社外にいるときに情報が必要になった場合は、モデムを介して直ちに会社のコンピューター・システムのデータとモバイル・デバイス上のデータを同期させることができます。これで査定にかかわる処理が完全にペーパー・フリーになり、保険会社にとって大きなコスト削減になります。会社にあるエンタープライズ・データベースに簡単にアクセスできるため、迅速に顧客からの要求を処理することができます。
モバイル・ワーカーが働く組織では、オフィスから離れた場所からでも彼らが会社のデータにアクセスし、更新できるようにする必要があります。たとえば、営業員には、提案についての見積情報、あるいは特定の日における顧客との打ち合わせに関するスケジュール情報が必要になる場合があります。自動販売機のサービス担当者は、予定の配達路にある販売機ごとの在庫情報が必要であり、商品を補充した際にこのデータを更新する必要があります。在宅介護人や訪問看護婦は、予定患者のリスト、および各患者の健康統計をダウンロードして、1 日に行った診察についての情報を更新する必要があります。
これらのモバイル・ワーカーのデータ・アクセスに対する要求はさまざまですが、すべてのワーカーは、モバイル・デバイス上から組織のデータにアクセスし、このデータを更新し、これらの変更をリモート・サーバー上のデータベースと適時に同期させることができる信頼できるソフトウェア・ソリューションを必要としています。IBM の DB2 Everyplace ソリューションがこの機能を提供しています。これにより、エンタープライズ・データ・ソースとモバイル・デバイスまたは組み込みデバイスとの間で、ファイルやデータを双方向で同期させることができます。また、DB2 Everyplace 同期サーバーにより、DB2 Everyplace がデータ・ソースにデータの挿入のみを行う場合に、単一方向のサブスクリプションを管理することができます。
本章では以下のことを理解することができます。