同期サーバー 管理ガイド


データ同期グループの作成

データ同期グループ は、固有名が付けられたユーザーまたは類似のデータ同期要件を持ったユーザーの集合です。ユーザーをグループに編成すると、多くのユーザーに同期サービスを提供する方法を統一できるため、必要な労力を最小限にすることができます。

グループに割り当てられたユーザーが、必要なデータおよびファイルにアクセスできるようにするには、必要なデータおよびファイルを参照するレプリケーション・サブスクリプションを作成し、それらのサブスクリプションをサブスクリプション・セットに集め、そのサブスクリプション・セットをグループに割り当てます。

グループを作成するには、次のようにします。

  1. 「Create Group (グループの作成)」ノートブックをオープンします。(詳しくは、同期オブジェクトの作成を参照。)
  2. グループを指定します。
  3. メンバーが必要なデータおよびファイルにアクセスできるようにするために、サブスクリプション・セットをグループに関連付けます。
  4. オプション: パフォーマンスの改善またはセキュリティー上の理由から、グループが使用できるソース・データのフィルター操作を行います。
  5. ユーザーをグループに割り当てます。
  6. OK」をクリックします。

これらの各ステップは、このセクションで詳しく説明します。グループを作成した後は、グループ・メンバーがデータを同期化できるようにするために、同期についてグループを使用可能にします。詳細については、同期の使用可能化を参照してください。

グループの指定

ユーザーが同期を要求すると、同期サーバーはユーザーの認証を行ってから、そのユーザーが属するグループを判別して、そのグループのサブスクリプションで参照される情報の複写を開始します。このため、同期サーバーは名前によって各グループを一意的に識別できなければなりません。

グループに名前を付け、グループの説明を行うには、「Create Group (グループの作成)」ノートブックの「Identification (識別)」ページ上の次のフィールドに情報を指定します。

名前
1 〜 18 文字の、グループを連想できる固有の名前を指定します。名前には大文字小文字の区別があります。

記述
オプション: このユーザー・グループを説明する最大 128 文字までのテキストを入力します。

データおよびファイルへのアクセスのためのグループの使用可能化

グループがソース・システム上に保管されたデータおよびファイルにアクセスできるようにするには、グループにサブスクリプション・セットを割り当てます。

サブスクリプション・セット は、レプリケーション・サブスクリプションの集合です。 レプリケーション・サブスクリプション は、指定した頻度でソース・システムからターゲット・システムへ変更されたデータまたはファイルをコピーするための指定です。レプリケーション・サブスクリプションは、グループ・メンバーにアクセスを許可するデータおよびファイルのサブセットを指定し、さらにそのデータに対してグループ・メンバーがどのような SQL アクセス権を持つかを指定します。

必要に応じてサブスクリプションを 1 つのサブスクリプション・セットにまとめれば、一組のサブスクリプションを複数のグループに割り当てることが簡単になります。グループに割り当てることができるサブスクリプション・セットの数には制限はありません。

サブスクリプション・セットをグループに割り当てるには、次のようにします。

  1. 「Create Group (グループの作成)」ノートブックの「Subscription Sets (サブスクリプション・セット)」ページへ進みます。
  2. Available subscription sets (使用可能サブスクリプション・セット)」リストで、割り当てるサブスクリプション・セットを選択します。複数のサブスクリプション・セットを 1 つずつ続けて選択するには、Ctrl キーを押しながら選択します。連続した複数のサブスクリプション・セットを選択するには、シフト・キーを押したままにします。

    Available subscription sets (使用可能サブスクリプション・セット)」リストにサブスクリプション・セットが表示されない場合は、ここで「Create (作成)」をクリックして「Create Subscription set (サブスクリプション・セットの作成)」ノートブックをオープンするか、後でサブスクリプション・セットを作成して、後でグループに関連付けることができます。サブスクリプション・セットの作成の詳細については、データおよびファイルへのアクセスのためのグループの使用可能化を参照してください。

  3. >」をクリックしてサブスクリプション・セットを割り当てるか、「>>」をクリックしてすべての使用可能なサブスクリプション・セットを一度に割り当てます。「Selected subscription sets (選択済みサブスクリプション・セット)」リストに、割り当てられたサブスクリプション・セットが表示されます。

「Subscription set (サブスクリプション・セット)」ノートブック内からも、グループをサブスクリプション・セットに関連付けることができます。詳細については、

サブスクリプション・セットをグループで使用可能にするを参照してください。

グループに使用可能なデータのフィルター操作

州において、複数の病院に対してデータベース管理サービスを提供すると仮定します。管理のために、患者の統計は、管理するすべての病院からのデータをトラッキングするマスター表に保管されます。各病院内の看護婦および医者は PATIENTS 表へのアクセス権が必要ですが、自分たちの病院の患者のデータが含まれている行しか必要ありません。各病院の要件を処理するために、データ・フィルターを作成して、各グループがアクセスできるデータのサブセットを指定することができます。

データ・フィルター は、表列およびその値を指定するパラメーターと値の対です。フィルターは、表のどの行が同期要求に含まれるかを指定します。列およびその値は、グループが使用するサブスクリプションの SELECT ステートメントの WHERE 文節に置き換えられます。サブスクリプションを作成するときにこの WHERE 文節を入力します (詳しくは DataPropagator サブスクリプションの作成を参照)。 DB2 Everyplace 同期サーバーが特定のグループが必要とするデータのサブセットのみを戻すように、同期をとるときに WHERE 文節がソース・データベースに実行依頼されます。特定のユーザーまたはグループに対して、複数のデータ・フィルターを適用することができます。

表のサブセットのみが複写されるため、データ・フィルターは、同期パフォーマンスの向上を助け、グループ固有データのセキュリティーを提供します。

Eastside 病院にデータ・フィルターを設定するには、パラメーター名および値は次のようになります。

Parameter Name = :Hospital.
Default Value = Eastside

ウェスト・サイドの Foothill 病院のデータ・フィルターは次のようになります。

Parameter Name = :Hospital.
Default Value = Foothill

パラメーター名用に値をハード・コーディングする代わりに、DB2 変数を使用して各ユーザー用にデータ・フィルターを設定することができます。そして、各ユーザーを作成する際に、データ・フィルター値を入力します。この場合は、グループ・フィルターは次のようになります。

Parameter Name = :HOSPITAL.
Default Value = None

次に、ユーザーが使用可能なデータに対するフィルター操作で説明しているように、個々のユーザー・フィルターに値を割り当てます。

グループにデータ・フィルターを定義するには、次のようにします。

  1. 「Create Group (グループの作成)」ノートブックの「Data Filter (データ・フィルター)」ページにおいて、「Add (追加)」をクリックします。「Add Data Filter」ウィンドウがオープンします。
  2. Parameter name (パラメーター名)」フィールドにおいて、フィルター操作する表内の列の名前を入力します。名前には大文字小文字の区別があります。
    推奨事項:
    追加テキストを使って、パラメーター名を一意的に指定してください。たとえば、「Parameter name (パラメーター名)」の先頭にコロン (:) を追加し、「Parameter name (パラメーター名)」の最後にピリオド (.) を追加します。
  3. Default value (デフォルト値)」フィールドにおいて、デフォルト・フィルター基準の役割をする値を入力します。

    グループ内の個々のユーザーにデータ・フィルターを割り当てた場合は、ユーザー・フィルター値がこのデフォルトをオーバーライドします。個々のユーザーにデータ・フィルターを定義する方法の詳細については、ユーザーが使用可能なデータに対するフィルター操作を参照してください。

  4. OK」をクリックします。パラメーターと値のペアが「Data Filter (データ・フィルター)」ページに表示されます。

グループへのユーザーの割り当て

ユーザー は、データをエンタープライズ・サーバーと同期させる必要のあるユーザーです。このユーザーは、DB2 Everyplace 同期サーバーと通信を行うことのできるモバイル・デバイスを使用して、エンタープライズ・システムとの間でデータの複写を行います。ユーザーが同期を要求すると、そのユーザーのユーザー ID およびパスワードは、管理制御データベースと比較して認証されます。同期サーバーは、ユーザーが制御データベースにおいて定義されているかどうかを判別し、定義されている場合は、ユーザーがどのグループに所属するかを判別します。データ同期は、ユーザーがグループに割り当てられていない場合は失敗します。

ユーザーは 1 つのグループにのみ所属することができます。ただし、同期の必要性の変更に対応するために、ユーザーをあるグループから別のグループへ移動させることはできます。

グループに割り当てることができるユーザーの数には制限はありません。

ユーザーをグループに割り当てるには、次のようにします。

  1. 「Create Group (グループの作成)」ノートブックの「Users (ユーザー)」ページへ進みます。
  2. Available users (使用可能ユーザー)」リストで、グループに割り当てるユーザーを選択します。複数のユーザーを順次、選択するには、Ctrl キーを押しながら選択します。複数のユーザーを連続して選択するには、シフト・キーを押したままにします。

    Available users (使用可能ユーザー)」リストにユーザーが表示されない場合は、ユーザーを作成する必要があります。「Create (作成)」をクリックして「Create User (ユーザーの作成)」ノートブックをオープンするか、後でユーザーを作成して、そのユーザーをグループに割り当てることができます。ユーザーの作成の説明については、同期サーバーへのモバイル・ユーザーの定義を参照してください。

  3. >」をクリックしてユーザーを割り当てます。割り当てられたユーザーが、「Selected users (選択済みユーザー)」リストに表示されます。「>>」をクリックしてすべての使用可能なユーザーを一度に割り当てます。

「Users (ユーザー)」ノートブックからユーザーをグループに割り当てることもできます。詳細については、グループへのユーザーの割り当てを参照してください。


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